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三聖病院院長、宇佐晋一先生の講話録です。
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先週、先生が講話の中で引用されていた

宮沢賢治の著作、「農民芸術概論」を読みました。

一部引用します。

「芸術の回復は労働における悦びの回復でなければならぬ

 労働は本能である 労働は苦痛ではない

 労働は常に創造である 創造は常に享楽である

 人間を犠牲にして生産に仕ふるとき苦痛となる」


私には 理解できない部分も多かったのですが 

真実を射抜いた表現というのは わかろうとわからまいと 強く伝わってくるものだと思います。

そして、美しくてあたたかい。


今日は、敗戦後、玉音放送での有名な一節や、

森田先生直筆の掛け軸などを題材に、院長先生の心温まる講話が展開されていました。





【 MEMO 】

・ 自分にだまされる。

・ 事実を曲げてみてしまう恐れがある。

・ 心に注文をつけ、もっとよりよい心の状態を目指す。そのところに、いやな状態がますます目につき、

  病感が増大していく、といったことがおこる。

・ 病感を相手どれば、ますます大きくなる。

・ 神経質の人は、別の自分になろうとする熱心な努力があった。

・ 感情を知的に調整しようとしていた=考え

・ 治し方、治す方法は一切教えていない。

・ いつも外のこと(周囲、世間、学校)から割り出して、とりあえずはじめ、動いていく。

  あとにはひかない。前進あるのみ。

・ あるがままを理解し、つかんだら脱線。


【 黒板MEMO 】

「namas(南無) amitaba」


【 掛け軸 】

「苦痛を苦痛し 喜悦を喜悦す 之を苦楽超然といふ

                  昭和二年七月 森田形外」
 

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今日は ゲシュタルト療法をはじめた、パールズ博士が来院され、修養されたときのお話に始まり、

水墨画、宮沢賢治・・とさまざまな話題から、森田の魅力が語られていました。

講話の中で、あたりまえに話される名前のすごさには、たまに驚くことがあります。

と同時に、心理療法の創始者や、禅の大家が門戸をたたかれる、三聖病院にたどり着けてよかったと、

つくづく思うのでした。


【 MEMO 】

・ 知ることどまり

・ 一瞬で解決しない悩みなどない。

・ 一瞬であらゆる悩みが解決しないなら本物ではない。

・ 自己意識の問題

・ 目だけでよろしい。

・ そのように見える。私にとって。そこでおわり。

・ 「そのように」だけでよい。

・ 心に用事がなくなり、外の世界の味わいが深くなる。


【 黒板MEMO 】

・ 自己像(セルフイメージ)

・ 唐  南泉 -  馬祖
      趙州 ・・・心 朗月の如し

・ 如

・ なべての悩みを薪と燃やし
 
  なべての心を心とせよ

  風と行き来し

  雲からエネルギーをとれ

・ 想像的創造

・ 観照

・ 曽我蕭白(~1800)

・ 蕭相八景

・ 三市 (さんぷつ)

・ 自助論 / スマイルズ 
  
  中村正直「西国立志篇」11冊
    
 

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何度かお伝えしていることと思いますが、

三聖病院の前院長、ならびに現院長は、元、禅のお坊さんであられました。


よく三聖病院の特色として、「禅の影響を強くうけた・・・」とありますが、

「禅にも強い影響を与えている・・・」の方では?と個人的に思っています。

それほどに、ここでの講話は、真実に徹底して表現されます。


今日は、般若心経の有名な一節から

インド仏教の伝える「空(くう)」、と三聖病院での「そのまま」

がまったく同じ状態だということなどについての話題がありました。


【 MEMO 】

・ わかったという人の方がつかみそこねている。

・ ここでは例え話を使わない。

・ 治療というのは、1/10秒もかからない。

・ そのまま=空

・ 特別なあり方を求めることで脱線する。

・ どんなんが治った状態であるか、状態をきめない。

・ 神経症になろうが、ならまいが、どっちも健康。なぜなら、神経症は病気ではないから。

・ 神経症は、ことば、考えで成り立っている。

・ 感じは考えをよびおこす。

・ 「治らんということがわかった」=脱線


【 黒板MEMO 】

・ 珠州市

・ 形外

・ 色=空

・ 空=色

・ 鳩摩羅什 (くまらじゅう)

・ 病感の増大

・ 知能は精神の外部機構

・ 考える葦 (パスカル)






 

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今日の講話の中で、

自分で自分の問題を解決する、自助組織なるものに

森田療法学会が包み込まれているようである、とのお話がありました。

「自助組織に 生涯をかけて反対していかなければならない」と。

決して強い口調ではなく、あたりまえにあっさりと語られる先生のことばが、

とても印象的でした。


 
【 MEMO 】

・ うそでもいいから健康人のフリをしなさい

・ 自分のこころの中を見ない意識

・ これが自分というものを、もっともっと向上させる。その努力のすべては考え

・ 治し方。そこからさきは全部考え

・ 究極の真実はイメージのないもの

・ だんだんうまくいくのではない

・ 神経症であって、歴史性のないものはない

・ 歴史をこえる

・ 考えたあげくにピンときた、は脱線

・ わかっている自分のイメージからはなれて努力を惜しまないとき、森田が最高のあらわれかたをする

・ 歴史をとわない=あるがまま

【 黒板MEMO 】

・ 「寒山詩」

・ 「拾得詩」

・ 幾看春冬易、忘却束時道 

・ 不問療法

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三聖病院では、修養生の退院祝いとして、院長先生直筆の掛け軸が贈られます。


「きめられないもの」


私が退院時にいただいた、先生からの言葉です。

きめられない。なにものでもない本物の世界、を今日も後押ししていただきました。



【 MEMO 】

・ 森田にはヒントがない。思想がない。

・ 芸術のことは絶対きめられない。

・ きめられないのが心、自己意識の世界。

・ 勉強は勉強のためにする。

・ 今していること、それ自体が目的。

・ 「掃除は心の掃除だ。」 そんなことはどうでもよい。

・ 座禅は座ることが目的。

・ 世間では余計な意味づけ。

・ お坊さんはもっと言い方を工夫してもらわなあかん。

・ 心の問題を決して目的にしてはいかん。

・ なにものでもない本物。


【 黒板MEMO 】

・ 自己像 (セルフイメージ)

・ プロティノス

・ 窮極の一者はいかな言葉も寄せつけない。

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author : 金田 倫子
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